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    「懸案」(けんあん)という言葉は、日常会話にはほとんど登場しないながら、ビジネスシーンや文書などには頻出します。 「懸案事項」となればなお、新聞やニュースなどでも見聞きすることでしょう。 今回は「懸案」の意味と使い方を類語を含めてご紹介します。 「懸案」とは? 「懸案」とは? 「懸案」(けんあん) とは、 以前から解決すべき問題となっていながら、結論が出せていない案件や事柄 、 予定が立っていながら実現されていない案件や事柄 を意味する言葉です。 なお、「懸案」にはもうひとつ、 「かけづくえ」 という読み方があり、その場合は 神前に供え物を置くための机 を意味します。
    懸案と懸念という言葉は、どちらも日常生活よりもビジネスシーンにおいて使われ、気がかりなことや心配事を表しますが、厳密な意味は異なります。 懸案とは以前から問題とされながら結論が出ていない案件を意味し、懸念とは気にかかって不安に思うことを意味します。
    「懸案」とさほど変わらない印象ですが、「懸念」は「気になっている・不安な様子」を表していて、「懸案」は「気になっている事柄・不安になっている事柄」を表しています。 「懸念」は様子のことを、「懸案」は事柄のことを表現するという違いがあります。 つまり、懸念されている具体的な事柄を「懸案」と表すことができます。 「課題」は、「与える・与えられる題目や主題」の他に、「解決しなければならない問題」といった意味もあります。 「懸案」は「解決されていない事柄」で、「課題」は「問題の原因を改善するための取り組み・問題解決のために必要となる要素」となります。
    「懸案」自体に「一定の時間解決されていない」というニュアンスを含みますが、さらに前に「かねてより」「長年の」「〇年越しの」という言葉をつけることにより、長い時間解決していないことを表し、より問題の深刻さや重要さを強調することができます。 また、「懸案」は公共の場でのスピーチやニュースで流れる記者会見の場など、かしこまった場面で使われることが多く、公的機関が発表するコメントなどによく使われます。 いわゆる「お役所言葉」というもので、日常会話はもちろん、ビジネスシーンでもたまに耳にする程度であまり使うことはありません。 「懸案事項」という使い方もよくし、「懸案事項の解決を急がれる」というのは「前から問題となっている事柄の解決を進める」という意味になります。
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