Web医師の裁量. そもそも、医療は、医師の専門的知識に基づく広範な裁量行為によって初めてその目的を達することがでるという側面を有しています。 このことから、医師には、検査の要否・時期、治療の要否・時期・方法の選択などの決定において裁量が与えられています。 このことを端的示すのが仙台高判平成6年12月15日「椎弓切除事件」判決です。
WebDec 18, 2023 · 医療過誤では、①刑事責任、②民事責任、③行政上の責任が問題となり得ます。そして、これらの責任を負う可能性があるのは、病院、医師、看護師などの医療スタッフ、医療機器製造メーカーです。通常、民事責任として損害賠償請求を
WebAug 2, 2021 · 保健師助産師看護師法14条によると、助産師・看護師が「罰金以上の刑に処せられたとき」に、厚生労働大臣は、戒告、3年以内の業務の停止、免許の取消し、のいずれかの行政処分をすることができます。 医療過誤事件で業務過失致死傷罪に該当し、罰金以上の刑に処せられた場合は、行政処分の対象となり得ます。 ただし、実際に、行政 …
Web医師に治療方針の決定権が委ねられていて,医師の裁量権の優先性が認められる.そのため,医師からの情報提供は,開示義務はないか乏しいものとなる.一方,素人としての患者は,専ら医師に医療行為について全面的に「おまかせ」することになる. 医療情報は,患者のためを配慮するとして,「事実と異なる説明も患者のためには許される(がん告知をさけ,違う病名 …
Web医師が患者を適切な医療機関に転送する義務を怠り、患者に脳原性運動機能障害が残った事案で、最高裁(最判平成15年11月11日)は、 適切な転送が行われ、適切な医療行為を受けていたら、重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性が証明されるときは、不法行為責任を負う。 と判示しました。 「相当程度の可能性」について、具体的にどの程度の立 …
Web民法709条には、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 」と規定されています。 この規定は、不法行為による損害賠償義務を規定した規定で、特定の行為、損害の発生、特定の行為と損害との因果関係、行為者の故意・過失がある場合には、行為者に損害賠償責任を …
Web2021.06.08. 医療事故…医師の責任と義務、「過誤」と「過失」の線引きは? 未来の医師を救う医療事故調査制度とは何か 【最終回】 小田原 良治. 医師が裁判で被告として罪に問われる……。 自らも医師として診療に当たる著者が、医療事故調査制度の創設に立ち上がった。 制度創設を勝ち取るまでの経緯について綴ったノンフィクションを連載でお届 …
Web医師の注意義務の程度について判断された先駆的な最高裁の判例としては「東大輸血梅毒事件」判決(最高裁昭和36年2月16日判決)があります。 この判決では、「いやしくも人の生命及び健康を管理すべき業務(医業)に従事する者は、その業務の性質に照し、危険防止のために実験上必要とされる最善の注意義務を要求されるのは、已むを得ないところ …
Web医師―患者関係において,医師の裁量と患者の自己決定は,一般的に,ある時は調和的関係を,またある時は対立的関係を示す.筆者は,これまでの論考1)で,日常診療での医師―患者関係では「医師の裁量」と「患者の自己決定」という両者の機能が反比例的な関係にあるとし,医師の裁量権の一定程度の抑制が患者の自己決定権の担保につながることを示唆した.本 …
WebFeb 8, 2024 · そこで、医師らに手技上の過失又は説明義務違反があるとして、医師らに対し、債務不履行又は民法709条及び715条に基づき、損害額合計1億4278万5211円の支払を求めました。 判旨. 裁判所は、本件手術について、手術によって症状の悪化を防ぐことはできるが(相対的手術適応)、その症状はほとんど日常生活に支障が生じない程度のも …