このような神経剤の症状に対して有用性が示されている解毒剤はアトロピンとオキシム剤である。 アトロピンは神経筋接合部に大量に放出されたアセチルコリンの効果を遮断する。 よって、動けない状況の傷病者に …
このような神経剤の症状に対して有用性が示されている解毒剤はアトロピンとオキシム剤である。 アトロピンは神経筋接合部に大量に放出されたアセチルコリンの効果を遮断する。 よって、動けない状況の傷病者に早期に解毒剤を投与して症状の進行を阻止、改善させることで救命できる可能性を高めることが期待される。 また、神経筋接合部においてアセチルコリン分解酵素(コリンエステラーゼ)に結合した神経剤を遊離させるオキシム剤が有用であるが、コリンエステラーゼと神経剤の結合は時間経過とともに強化され、オキシム剤の効果が急速に失われる。 これをエイジング (aging) という。 コリンエステラーゼの半分のエイジングが完成する時間はサリンで5時間、ソマンでは2分間とされる。